スティーヴン・キング原作ドラマ『ミスター・メルセデス』シーズン3第10話(最終回)【バーニングマン】(原題:Burning Man)のあらすじとネタバレ感想がまとめてあります。
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⇒ ミスターメルセデス3第9話【正念場】
ミスターメルセデス3第10話(最終回)のあらすじとネタバレ感想【海外ドラマ】
シーズン3第10話(最終回)【バーニングマン】
バーニング・マンというタイトルを見ていると、アメリカで行われている大きなイベントを思い浮かべてしまいます。
その名のとおり巨大な木の人形を燃やしてクライマックスを迎えるイベントは、現代版のウッドストックと言えるでしょうか。少なくとも、ヒッピーの精神が息づいているのは確かです。
そんなタイトルのエピソードで、TVドラマ『ミスター・メルセデス』3部作もクライマックスを迎えます。小説も同じく3部作でしたが、順番が違っているのは、あなたもご存知でしょう。
ドラマのシーズン3は、小説の2作目『ファインダーズ・キーパーズ』を基に作られたのです。
ファインダーズ・キーパーズの紹介文には、”アメリカ文学への愛”みたいな言い回しが出てきます。ドラマでも同じように文学愛を描きますが、原作もドラマも愛という言葉の前に”狂おしいほどの”を付けるべきでしょう。
いえ、これでもまだ足りません。ピーター(ラミアン・ニュートン)と原稿の争奪戦を繰り広げたモリス(ガブリエル・エバート)を見れば分かるとおり、その愛は狂おしいどころか狂気そのもの。
お金よりも、人質の命よりも、それどころか自分の命よりも小説の続きの方が大事なんですから。
すべてが虚しかった少年時代、教師からもらった『ランナー』は、モリスの心を稲妻のように打ったことでしょう。不良少年は反骨精神にあふれた主人公に憧れ、ジミー・ゴールドのように生きたいと願ったのです。
だからこそ、ジミーを普通の男にしてランナーシリーズの発表を止めてしまったロススティーン(ブルース・ダーン)を、どうしても許せなかったのです。
しかし、隠された新作の存在を知ってしまったら話は別です。
ジミーが単なる男で終わるはずがない。きっと新作でジミーは復活しているはず。もしそうならば、俺の人生だって詰まらないもので終わるはずがない。
モリスにとってランナーシリーズは単なる小説ではありませんし、ジミーは架空のヒーローではありません。ジミー・ゴールドこそ、そうありたい、そうあるべき、そうに違いない自分の姿なのです。
だからこそ、このモリス・ベラミーが最初にジミー・ゴールドの運命を見届ける人物でなければならない・・・。
狂った愛を前にしては、シリーズの主人公であるビル・ホッジス(ブレンダン・グリーソン)すら傍観者にならざるを得ません。狂気に曝されるのは、ブレイディの一件だけで十分です。
ドラマ版は、設定が原作と大きく異なっています。
原作のモリスはホッジスと同じような年ですし、殺しを後悔したりしません。この年齢差と残虐性を補うために生まれたキャラクターが、アルマ・レイン(ケイト・マルグルー)なのです。彼女の死が、ドラマと原作を1つに重ねる切っ掛けになりましたね。
オリジナルのキャラクターを何人も登場させ、シーズンの順番を入れ替えて、それでもなお、ドラマとしての面白さを失わなかった『ミスター・メルセデス』3部作。
もしかすると第4シリーズの可能性があるかも――放送局がなくなるというトラブルを乗り越えられれば――という含みを持たせたラストには賛否があるでしょうけれど、小説を読んだ人にも、ぜひ見ていただきたいシリーズになりました。
まとめ
海外ドラマ『ミスター・メルセデス』シーズン3第10話(最終回)【バーニングマン】のあらすじとネタバレ感想をまとめました。
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