ドラマ『LUCIFER/ルシファー』第3話【偽ルシファーと美女殺人事件】(原題:The Would-Be Prince of Darkness)のあらすじネタバレと感想がまとめてあります。
前回はこちら
⇒ LUCIFER ルシファー第2話【パパラッチの償い】
LUCIFER ルシファー第3話のあらすじネタバレと感想【海外ドラマ】
第3話【偽ルシファーと美女殺人事件】
スターフットボール選手タイ(レダリック・ウィリアムズ)にかけられた殺人容疑をルシファー(トム・エリス)は真犯人を見つけ出すことにより晴らそうとします。他方でルシファーの周囲では、偽のルシファー(グラント・ハーベイ)が登場し、彼の評判を傷つけるような行動を次々と行いました。
事件の真相究明と自身の偽物を捜す中で、ルシファーの内面にある正義と罰に対する倫理観や彼の怒りの正体が徐々に明かされていく回です。
ルシファーは、地獄では罪人を罰することを本業としていました。地獄に送られてきた人間に恐怖を与え罰する作業は、怒りを解消する、溜飲を下げる効果をもたらすなど一時の興奮とある種の快感をもたらしますが、罰するという行為自体に正義は必要とされません。
処罰すべき者をただ罰すればよいだけだからです。このことがよくわかるのが、ルシファーが自身の偽物と対面するシーンです。ルシファーの右腕であるメイズ(レスリー・アン・ブラント)は偽物を罰することに異常に興奮します。
それは彼女が罰する行為のうち、痛みを与える部分に満足していたことを意味します。彼女は偽物の指を一本でも折ればいいと主張しますが、そこにあるのは正義感ではなくサディスティックな処罰感情だけです。
他方で、ルシファーは、そうした残忍な処罰のあり方に満足しなくなってきています。自身の評判を傷つけられたルシファーも、メイズのように偽物に痛みと恐怖を与えたいくらいに激怒しているのですが、たとえ痛みを与えたとしても決して満足しないであろう自分に気付くのです。
殺人の容疑をかけられたフットボール選手の事件をめぐっては、ルシファーは必死になって真相を究明しようとします。セラピストのリンダ(レイチェル・ハリス)との会話の中で彼は、事件の真相究明に必死になる理由について、無実の人間が容疑をかけられたことに対して怒りを感じるからだと語っていました。
事件の真犯人は、選手のエージェント(リチャード・T・ジョーンズ)であることが後に判明しますが、エージェント逮捕のシーンでルシファーは怒りを爆発させます。それはエージェントがアリ(ブリ・ニール)を雇ってフットボール選手と寝させ、それを脅しの材料に使うことで選手がエージェントとの契約を切らないようにする狙いがあったからでした。
あまりに利己的な理由でフットボール選手を脅そうとし、しかも、その過程で偶発的とはいえアリを殺害してしまう、さらに元恋人のデブラ・マッコール(ソフィア・ヴァジリーヴァ)に罪をなすりつけようとしたエージェントの卑劣さにルシファーは我慢がならず、恐ろしいほどの勢いでエージェントを突き飛ばしてしまいます。
これは人間的な怒りのあり方であると言えますが、ここにルシファーの大きな変化を感じ取ることができました。ルシファーは、罰することのサディスティックな側面ではなく、善人に正義がなされることに充足感を覚えるようになってきており、これが人間界に来て起きた大きな変化なのです。
あるいはこうした資質は、地獄の番人になる前に既に持っていたものの、地獄で活動する中で忘れ去られていたものなのかもしれません。いずれにしてもルシファーというキャラクターの変化が大きく、より人間的になるのを感じられる回でした。
毎回、物語はセラピストとの会話で終わります。ここでは主にセラピストが専門家の意見としてルシファーが内面に抱える矛盾や葛藤が指摘されるのです。そして、セラピストによって指摘されたルシファーが持つ矛盾や人間界に来てからの変化を彼自身はなかなか認めたがらないことにあります。
彼の頑固さが窺い知ることのできるシーンではあります。しかしながら、一方で彼自身、矛盾や葛藤など、彼の内面で渦巻くもやもやとした感情をこれまで持ったことがないのでしょう。
もしくは、あまりに人間的なこうした感情を、これまで味わったことがないゆえに、認めたくても何が何だかわからない状態に陥っているのかもしれません。
気になる次回は
⇒ LUCIFER ルシファー第4話【プレイボーイの憂鬱】
まとめ
海外ドラマ『LUCIFER/ルシファー』第3話【偽ルシファーと美女殺人事件】のあらすじネタバレと感想をまとめました。
ひきつづき、第4話【プレイボーイの憂鬱】以降も情報アップしていくので、楽しみにしていてくださいね。