ヨアン・グリフィズ主演海外ドラマ『フォーエバー ドクターモーガンのNY事件簿』第15話【最後の王】のあらすじネタバレと感想をまとめています。
前回はこちら
⇒ ドクターモーガンのNY事件簿の第14話【血塗られたヴィーナス】
ドクターモーガンのNY事件簿の第15話あらすじネタバレと感想【海外ドラマ】
第15話【最後の王】
末期ガンによる自然死と考えられた老人の死が、思わぬ方向へと展開していくのが見所の回でした。
被害者と若き日のモーガン
今回の物語で最も面白いのは、遺体で発見された老人をヘンリー・モーガン自身が60年以上前に手術した経験があることです。老人が少年であったころの手術痕を見て、自分が手術した患者だと気付くというのは、モーガン(ヨアン・グリフィズ)が不老不死という設定ならではの物語だと思います。
そして、このモーガンのかつての手術体験が、彼を老人の死の原因を探る調査に駆り立てたのです。他方で、老人については、モーガンとは全く異なる見方をする人が数多く存在し、それは老人の素性や血のつながりをどうとらえるかといった問題に関わってきます。
捜査への強い想い
遺体で発見された老人は、かつて君主制であった国家ウルケシュの王族の末裔であることがわかりました。老人は少年時代、革命によって君主制が廃止された際、王族のただ1人の生き残りとしてアメリカに逃げ延びます。
モーガンが手術を行ったのは、まさに革命前夜とも言うべき時期でした。手術により子どもの命を救ったことから、モーガンは少年の父である国王から、とても感謝され、大変な歓待を受けます。
そこで、モーガンは国王と打ち解けた会話を交わし、子どもや国の将来について率直な話をモーガンに打ち明けたのです。国王は君主制は自分の代で終わり、息子には国王を継いで欲しくないことをモーガンに語りました。また、感謝の印としてモーガンに王家に代々伝わる指輪を贈ります。
そのため、モーガンにとってのウルケシュ国王というのは、子どもを愛する父であり、また客観的に自国の将来を見通すことのできる英明な君主でもありました。この時の印象が、モーガンを老人の死の調査を徹底的に行う気にさせたのだと思います。
血縁の持つ重み
他方でウルケシュは、君主制国家時代、独裁専制国家ともいうべき国家でした。だから、体制反対派に対する弾圧がすさまじく、国王は弾圧の象徴ともいうべき存在です。
そのため、国王に恨みを持つ者も多く存在します。老人はモーガンの調査により、暗殺されたことがわかりました。彼は、まさに国王に恨みを持つウルケシュ国民に毒殺されたことが判明します。
父に対する恨みを息子で晴らすのは理不尽ではありますが、ここで鍵となるのが血のつながりです。物語では、恨みを晴らすには血族すべてを殺害しなくてはならないことがウルケシュの伝統として語られます。
しかし、こうした発想は、ウルケシュに限らず、いわゆる古くから続く社会には何処にでもある発想です。不老不死であるがゆえに血縁に重きを置かないモーガンにしてみれば、父に対する恨みを子どもで晴らすのは理解できない話でしょう。
そもそも、人々が、なぜ血縁に重きを置くのかについても懐疑的です。血のつながりが持つ重みや、それが与える理不尽さを不老不死のモーガンの目を借りて描いているという点が今回の面白さだったように思います。
エイブから血のつながりを学ぶ
ただし、モーガン自身が血のつながりに対する不信感に満たされて物語が終わるわけではありません。エイブ(ジャド・ハーシュ)は自身のルーツ探しを行う中で、モーガンと自分が遠い親戚であることを発見しました。
このことを知らされたモーガンは、まったくの他人だと考えていたエイブとの間に、わずかではあれ血のつながりがあることに喜びます。この世で最も自分が信頼する人間との間に、血のつながりがあることを知り、モーガンは血のつながりが価値のあるものだと感じるようになったのです。
言い換えれば、まず血のつながりがあるべきではなく、血のつながりがそれなりに大切なものになるためには、信頼し合える関係が大前提となっていることを語っているのだと感じます。
気になる次回は
⇒ ドクターモーガンのNY事件簿の第16話【70年代の女】
主な登場人物に関する情報は、こちらにまとめてあります。
⇒ ドクターモーガンのNY事件簿のキャストまとめ
まとめ
ヨアン・グリフィズ主演海外ドラマ『フォーエバー ドクターモーガンのNY事件簿』第15話【最後の王】のあらすじネタバレと感想をまとめました。
ひきつづき、第16話【70年代の女】以降も情報アップしていくので、楽しみにしていてくださいね。