海外ドラマ『ローアンドオーダー』シーズン10第20話【罪深きアート】のあらすじネタバレと感想がまとめてあります。
第20話は、理解に苦しむ事件でした。自分にとって不快な絵を見ただけで、罪を犯していいなんてことが許されたら、かなり恐ろしい話ですよね。
ローアンドオーダーシーズン10第20話のあらすじネタバレと感想【海外ドラマ】
第20話【罪深きアート】
人を不快にさせる絵画が発端となって起こった殺人事件です。今回は、被告の画家役でブルース・マクヴィッティという俳優が出演しています。彼は『ローアンドオーダー』シリーズに7回登場しており、それぞれ異なる役で出演しているんですよ。
ある時は悪徳判事にいいように操られる犯罪者を、また別の回では判事を演じることもありました。今回は内に芸術家としての繊細さと自分の才能が世の中に認められない鬱屈した気持ちを併せ持つ殺人者の役割を演じています。
登場する回では毎回一癖も二癖もある人物を見事に演じているため、『ローアンドオーダー』シリーズでは重宝されている役者さんなのだと思います。
ストーリーという点から見ると、どんでん返しがあるわけでもなく、法律的に何か奇策が用いられていることもないため、シリーズの中では目立つ回ではありません。だけど、ブルース・マクヴィッティの演技により、独特の空気を醸し出している回になっていると言えます。
芸術家への資金援助を行う篤志家の女性が両手を切断されて殺害された事件が起こります。警察は、犯行の手口を示唆するような、口と手足のない女性を描いた一枚の絵に注目しました。この絵は被害者の支援を受けていたからです。
そして、この絵と被害者に対して執拗に批判を繰り返す画家を突き止め、逮捕・起訴することとなります。被告は画家と言っても半ば創作活動をあきらめ校正係で生活する男です。数年前にスペインへ旅行に行った際に、ダリの頭と手足のない絵に落書きしようとして逮捕され、国外退去処分を受けた前歴がありました。
被告弁護士の主張は、被告はある特徴を持った絵を見ると情緒障害を起こす習性があるとして犯行を絵のせいだとして無罪を主張します。すなわち、手足のない女性を描いた絵のように、女性に対する憎しみが込められた絵を見ると理性を失い犯行に及んでしまうとする主張です。
今までこうした主張を聞いたことがない検察側は、精神科医のスコダ医師(J・K・シモンズ)に助言を求めます。あまりに突飛な主張なので、こうした主張は一笑に付されると考えていました。
ところが、法廷記録を読んだスコダ医師は、事件当時の被告は明らかに理性的判断力を失っており、善悪の区別がついていない状態であったと判断し、被告側の主張を認めるべきだとします。
しかし、ジャック・マッコイ検事補(サム・ウォーターストン)はスコダ医師のこの見解に反対します。スコダ医師の見解を認めることは、感覚過敏な人間に殺人の弁明を与えることになってしまうからです。
たとえ一枚の絵がどんなに不快なものであっても、その絵に対する意見表明の手段として殺人を用いることは許されないとし、被告側主張を認めません。
検察と精神科医の関係という観点から見ると、マッコイ検事補の判断は、専門家の意見を排除したという意味で、検察の暴走と捉えることもできます。
しかし、他方で、絵を見ただけで激高して殺人を犯しても無罪になるという理屈が認められるとすれば、そうした司法制度のあり方も問題があると言わざるをえません。専門家の判断をどこまで取り入れればいいのかをめぐるジレンマが、今回の物語が問いかけたものであったように思います。
ちなみに、今回、問題となった女性蔑視とも言える絵を、アビー・カーマイケル検事補(アンジー・ハーモン)は非常に不快に感じており、芸術品も共同体の基準に従うべきで絵は焼却すべきであると
言っています。
表現の自由を考えると、法律家としての彼女のこの主張は褒められたものではありません。しかしながら、彼女が内面に持つ保守的思想が時にこうした形で見え隠れし、マッコイ検事補との間に微妙な空気が流れる光景もシリーズの見所の一つであると言えます。
まとめ
今回は、海外ドラマ『ローアンドオーダー』シーズン10第20話【罪深きアート】のあらすじネタバレと感想をまとめました。
ひきつづき、第21話【中傷と同情】以降も情報アップしていきますので楽しみにしてくださいね。
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