クリミナルマインド FBI行動分析課の感想と評価【海外ドラマ】

海外ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の感想と評価をご紹介します。

ドラちゃん

毎回、恐ろしいんだけど・・・見ちゃう。癒しは、Dr.スペンサー・リード。カッコいいよね。

カバ吉くん

ホント、毎回、猟奇的な事件の話なのに、よく続くよな。そう言いながら、見てしまう自分がいるけどｗ

クリミナル・マインド FBI行動分析課の感想と評価【海外ドラマ】

『クリミナル・マインド FBI行動分析課』は、2005年から放送されている人気ドラマシリーズです。

2018年現在、本国アメリカでは第13シーズンまでが放送され、第14シーズンの制作も決まっています。

1シーズンが約20話で構成され、シーズンごとに少しずつキャストが変更されながら今日に到っています。

かなり猟奇的な殺人事件を扱うドラマで、全体的に陰鬱なトーンが支配します。

にもかかわらず、これだけのロングランになる背景には、登場人物それぞれの役割分担とキャラクターが明確に区別されていること、そしてストーリーの巧みさがあるのだと感じます。

舞台となるFBI行動分析課（以下BAU）は、バージニア州クアンティコに本拠があります。

そして、全米各地の警察から捜査の依頼があると、その都度、ビジネスジェットで現地まで赴いて、事件解決に尽力するという設定です。

BAUの捜査手法は、事件の証拠から犯人像を推理するプロファイリングの手法を用いて容疑者を絞り込んでいきます。

依頼を受ける事件は、連続殺人や拉致監禁といった事件が多く、残忍な犯行手口が用いられるものが、ほとんどです。

そして、容疑者も社会的病質者に代表される、他者の痛覚を感じない狂気の人物が多いです。

映画『羊たちの沈黙』は、FBI捜査官と猟奇的殺人鬼が対決する物語ですが、ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』は、この映画の世界観とよく似ています。

丹念に収集した証拠を多角的に検討し容疑者像を推理するというプロファイラーの仕事を追っているという点で両者は共通点が多いです。

しかし、『羊たちの沈黙』と決定的に異なるのは、ネット上のデータベースを活用した容疑者の絞り込みが『クリミナル・マインド FBI行動分析課』における捜査では大きな位置を占めていることにあります。

推理された容疑者像から、社会保障や前科、教育の記録をあっと言う間にデータベースから収集して容疑者を特定する場面が本作品では毎回のように見られるのです。

情報化社会の進展は、猟奇的犯罪が多発する一つの原因になっていると考えられます。

一方で、捜査技術における情報化も急速に進展しており、それだけ犯人逮捕までの時間を短縮できる時代になりつつあることを感じさせます。

BAUは、シーズンによって異なりますが、概ね6、7名のメンバーで構成されています。

これらメンバーを見て感じることは、本作品を象徴するようなキャラクターを1名に絞れない、言い換えると作品におけるメンバーの役割の優劣がなかなか付けられないことです。

これまで主要キャラクターを演じる俳優が何回か降板してきました。

それでも本作品が継続して長期にわたり、高い人気を維持し続けているのは、突出して印象的なキャラクターがいないことにあるように思います。

しかし、あえて、この人がいなければシリーズは成り立たないだろうと考えられるのが、高度な知性を持ち、プロファイリングになくてはならない存在であるリード捜査官、BAU草創期からのメンバーであり、一時、作家業に専念するためにBAUを離れていたロッシ捜査官、広報と渉外を担当するジャロウ捜査官あたりになるのかと思います。

リード捜査官（マシュー・グレイ・ギュブラー）によるプロファイリング時の知性のあり方は、その思考の柔軟さに圧倒されます。

そして、ロッシ捜査官（ジョー・マンテーニャ）の長年の経験に基づいた深い人間的洞察力やチームの影のリーダーとして果たす役割の大きさはチームにとって不可欠の存在です。

また、ジャロウ捜査官（A・J・クック）の持つ他者へのいたわりは殺伐とした捜査現場にある種の癒やしをもたらしているように思います。

シーズンを経るにしたがって、事件の残酷さが増してきているように感じます。

ドラマの進化の方向性としては、飽きがこないように事件を過激化させるというのは仕方がないことでしょう。

しかし、事件の猟奇性が増せば増すほど、現実社会との乖離が著しくなり、リアリティーが薄れつつあるようにも感じるんです。

そのような時には、先にあげたような登場人物たちの活躍に注目してみるのも、本作品を見る一つの見方だと思います。

※DVD-BOXやDlifeでは、『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪』のタイトルで親しまれています。