映画『インターステラー』【監督:クリストファー・ノーラン|原題:Interstellar|上映時間:169分】(2014年)の魅力をご紹介します。
また、記事の後半では登場人物に関するツッコミどころをまとめました。
インターステラーの魅力【映画】
映画『インターステラー』はもともと、映画プロデューサーのリンダ・オブストと理論物理学者のキップ・ソーンにより考案されました。彼らは、映画『コンタクト』でも共同参加しています。
そして、この映画に最初に興味を示し企画したのが、スティーヴン・スピルバーグでした。しかし、彼は自身の製作会社を、別の映画会社に移動したことで、途中で降板します。
そのため、新しく監督となったのが、クリストファー・ノーランでした。彼は、『バットマン』シリーズや『マン・オブ・スティール』でも有名ですね。彼の監督就任は、彼の弟ジョナサン・ノーランの推薦があったそうです。
ちなみにジョナサンは、この作品に最初から、脚本家として参加しています。ジョナサンは他に、『プレステージ』や『ダークナイト』でも、脚本を手掛けていました。特に彼らしいと感じるのは、科学的な内容を取り入れている点です。
「相対性理論」や「マーフィーの法則」、「重力」、「異次元世界」、「多元宇宙世界」、「ラザロ計画」などを、この映画の中で表現しています。そして、この脚本のために彼自身は、カリフォルニア工科大学で「相対性理論」を学んだそうです。
また、リサーチのためNASAとスペースXも訪れたと、伝えられています。こう聞くだけで、映画『インターステラー』への力に入れ具合や意気込みが伝わってきますね。
監督がスピルバーグから変更になったことで、当初のシナリオとの変更点が多くあります。その変更部分は公表されているため、気になる方は検索してみると良いですよ。違った面から、この映画を楽しめますから。
映画『インターステラー』の魅力は、俳優陣の豪華さにもあります。マシュー・マコノヒーにアン・ハサウェイが主役を演じました。そして、マット・デイモンとマイケル・ケインが、その脇を務めます。
また、最後に少しだけ、エリス・ガベルが出演しているのも嬉しいですね。ただ、この映画は登場人物の魅力よりも、内容重視の作品です。そのため、特に目立つ特徴のない役から、その魅力をどう引き出すのか?役者さんたちの手腕が観れる作品だと感じました。
とはいえ、名のある俳優さんというのは凄いですね。オーラと存在感を与えてくれます。
インターステラーの登場人物に関するツッコミどころ【映画】
映画に出演する主な登場人物についての突っ込んだ感想をまとめました。
ジョセフ・クーパー/Joseph Cooper – 元空軍パイロット、エンジニア – マシュー・マコノヒー/Matthew McConaughey
愛と希望に満ち、何事も決して諦めない主人公です。また、探求心も強く向上心もあり、とっさの判断力も抜群です。しかし、強引で向こう見ずな面も持ち合わせています。彼のこの一面こそが、人類を救うキッカケとなりました。
考えてみると、彼がいなければ、この内容は成立しません。なぜなら、彼が未来から過去に、シグナルを送っていたのです。また、彼はストーリーを台無しにした張本人でもあります。彼の家族愛が、異次元の世界へと導きました。それも、愛する娘マーフの部屋にです。
また、彼の体は小さくなっており、本を全身で押して動かそうともします。そして、重力を手で操るような描写もあります。これ自体が、まずありえないですね。つまり、最後になって彼は、愛と科学を結び付けたのです。
結局のところ主人公は、何をやっても良いということなのだと思います。しかし、ちょっとやりすぎ感があります。ここまでするのであれば、もっと内面的な部分を描き、魅力的な人物像にして欲しかったですね。
アメリア・ブランド/Amelia Brand – 博士、ブランド教授の娘 – アン・ハサウェイ/Anne Hathaway
綺麗な人が出ているというだけで、目立つ特徴もなく何も感じません。言い方は悪いですが、映画に終始、花を添えるだけの存在でした。あえて言うなら、彼女の活躍は、最後のシーンくらいでしょうか。
恋人エドマンズの見つけた惑星に辿り着いた彼女は、少し逞しく見えました。また、この惑星は、第二の地球になる可能性があります。つまり、彼女の最初の直観は正しかたっという、証明だった訳です。
とはいえ、彼女の起用には、もったいなさを強く感じます。せっかくの彼女の魅力が、最大限に引き出せていたとは思えません。もう少し強い印象が残るような設定をして欲しかったですね。
マーフィー・クーパー(マーフ) Murphy Cooper – 博士、ジョセフの娘 – ジェシカ・チャステイン/Jessica Chastain
父親似の負けん気の強さと明晰な頭脳を受け継いだ優秀な女性です。そして、父親のジョセフが彼女の少女期に宇宙へ旅立ちました。そのため、父親の戻ってくる、彼女の老年期までが描かれています。考えてみると、もう一人の主人公と呼べるのかもしれません。
彼女の活躍により、宇宙コロニーが建築され、人類は救われました。このコロニーに彼女の名前が付いていたり、功績をたたえる資料館もあります。とはいえ、何よりも嬉しかったのは、彼女が父親と再会できたことです。
また、彼女の執念の凄さも感じずにいられません。父親との再会を信じ、冬眠カプセルで帰りを待っていたのです。一目でも逢いたいという気持ち、伝えたい言葉があったのでしょうね。
彼らは離別時に仲違いをし、話をすることができませんでした。しかし、数十年の時を経て、やっと巡り合え和解します。この時、宇宙旅行という時間のずれの影響で、もう彼女は老年です。
しかし、父親からすれば数年しか経っていません。つまり、父親のほうが見かけは若くなっています。そのため、観た感じ違和感はありましたが、親子の絆を強く感じる一幕でした。
ここで疑問に感じたのは、彼女が「アメリアを迎えに行きなさい」と、父親に言ったことです。彼女はいつ、アメリアからの信号を受け取ったのでしょうか?冬眠前だと仮定するのが妥当だと思います。
だとすれば、父親の帰還までに、彼女に助けを送ったのでしょうか?もし、彼が戻って来なければ、どうなっていたのでしょうか?この部分に関しては、全く描かれていません。そのため、想像するしかなく、かなり気になりますね。
ジョン・ブランド/John Brand – 博士、教授 – マイケル・ケイン/Michael Caine
彼が人類は助からないと知っていながら、隠していたことに関しては納得できます。たしかに、公表してしまえばパニックが起きますね。誰もが人生に悲観し、我先にと自分勝手な行動をするでしょう。
しかし、重力の研究が成功しないと諦めていても、かすかな望みは持っていたと思います。そうでなければ、何人もの科学者を宇宙へ送り出ささないでしょう。また、クーパー親子との出会いで、最終的に彼の研究は成功します。
考えてみると、特にマーフとの出会いは、彼にとって特別です。不幸でもあり、幸運でもあります。まず、不幸な点は彼の研究の隠蔽を、彼女が発見したことです。それだけでなく、彼は研究の成果を知ることなく亡くなりました。
これは、マーフの名前の由来である、「マーフィーの法則」に当てはまります。「失敗する可能性のあるものは、失敗する。」とういう、法則そのものなのです。つまり、成功しないと分かって続けた長年の研究を示していると思います。
しかし、「マーフィーの法則」には、「起こる可能性のあることは、いつか実際に起こる。」という、法則もあります。結果的に、ほとんど諦めていた研究が、成功しましたね。
これは、彼の幸運に当てはまりませんか?考えれば考えるほど、「マーフィーの法則」を上手く使った、面白いキャラ設定だと思いました。
ヒュー・マン/Hugh Mann – 博士、探検家 – マット・デイモン/Matt Damon
彼の名前にも、少し引っ掛けのようなものを感じませんか?ヒュー・マンというのは、ヒューマン(人間)を、もじったのはないでしょうか。人間らしさという意味で、彼の名前を付けた気がしてなりません。
彼はクーパーたちを殺そうとし、一人だけ生き残ろうとした悪人として描かれています。しかし、本当にそうでしょうか?彼はブランド教授以外で、人類を救えないと知っていた人物です。
また、氷の惑星で一人、孤独にさいなまれてもきました。そのことが影響したのか、彼は生きることへの欲望が一番あります。そのため、研究結果のねつ造をしました。そして、仲間を犠牲にしてまで、地球に帰りたいと願ったのです。
きっと彼も最初は、クーパーたちのように「人類を救いたい」と思っていたのでしょう。しかし、孤独や不安といった感情に圧し潰されてしまった気がします。つまり、緊迫した状態になった場合、使命感と個人の感情の、どちらが優先されるのか。
彼には、愛する家族や恋人がいません。「自分だけでも生きたい」と思っても、当然でしょうね。そのため、一番人間らしいキャラとして、好感がもてました。
ニコライ・ロミリー/Nikolai Romilly – 博士 – デヴィッド・ジャーシー/David Gyasi
彼はクーパーたちが、水の惑星から戻ってくる23年間も、冬眠せず重力の研究をしていたのです。それも、たった一人きり、母船の中で生活しながらです。彼は孤独を感じなっかたのでしょうか。凄いですね。
ガルガンチュアの中心にある重力について、クーパーにヒントを与えたのも彼です。つまり、彼の地道な研究がなければ、人類を救うことは出来なかったでしょう。しかし、それほど度重要な人物だというのに、あまり存在感がありません。
そのため、美味しい所はすべて、クーパーたちに持っていかれたように思えます。おまけに、マン博士の仕掛けた爆弾で、爆死してしまいます。一番の貧乏くじを引いたキャラですね。もう少し特徴を持ったキャラとして、描いて欲しかったです。
TARS & CASE/ターズ、ケース – 人工知能ロボット
立方体のロボットとは、酷すぎませんか。違和感からくる強烈な印象度としては一番だったと思います。科学の発展した近未来だというのに、このデザインはないですよね。しかし、人間より頼りになり優秀で、力仕事も出来ます。
また、少し毒気のあるジョークを言ったり、コミカルさもあります。そのため、人間よりも人間らしいと感じるほどでした。つまり、他の登場人物に欠けた部分を、このロボットが担当していたのではないでしょうか。だとすれば、この試みは大成功だったと思いました。
まとめ
映画『インターステラー』の魅力を紹介しました。そして、記事の後半では、登場人物に関するツッコミどころがまとめてあります。
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