ヨアン・グリフィズ主演海外ドラマ『フォーエバー ドクターモーガンのNY事件簿』第10話【英国貴族の男】のあらすじネタバレと感想をまとめています。
前回はこちら
⇒ ドクターモーガンのNY事件簿の第9話【午前6時】
ドクターモーガンのNY事件簿の第10話あらすじネタバレと感想【海外ドラマ】
第10話【英国貴族の男】
人に知られたくないこと、人には隠しておきたいことというのは誰にでもあります。秘密にしておきたいことと人間はどのように向き合っていくのかを、殺人の被害者で結婚詐欺師のコリン・カベンディッシュとモーガン(ヨアン・グリフィズ)の立場で考えてみたのが今回の物語です。
身分を偽ったカベンディッシュの末路
カベンディッシュは身分を偽り大富豪の娘エミリー・ソンタグ(ケイティー・パックストン)に近づいたため、本当の出自は絶対に明かしてはなりません。他方でモーガンも、不老不死であることは人には絶対に知られて欲しくはないのです。
絶対に知られてはならないという点で、両者の秘密は共通しているのですが、秘密に対して両者は対照的な反応を示していきます。
カベンディッシュは、自分自身をイギリス貴族の出身であると偽り、エミリーとの結婚までこぎ着けました。しかし、彼はエミリーに本当に恋をしてしまい、自らの出自を彼女の父ノーマン(ゲイリー・バサラバ)に打ち明けたことがきっかけで殺されてしまいます。
明かしてはならないことを打ち明けてしまったことが自らの命を縮めてしまったのです。結婚詐欺自体は人の心をもてあそぶという点で、非常に罪深い罪といえます。
しかし、本当の恋に落ち、良心の呵責に耐えかねて真実を打ち明ける姿には、人間としてどこか清々しい響きがありしました。だから、殺人事件でありながらも、物語の終わりに、どこか潔さと甘美さを感じさせるのはこのためであると感じます。
娘が騙された父親の影に隠れた真犯人
また、娘の婚約者がイギリス貴族であると、まんまと騙されたエミリーの父は、派手な婚約パーティーを開き、イギリスの古城を貸し切った結婚式を企画するなど、まさに有頂天になってしまいました。
アメリカ人のヨーロッパに対する憧れが、本作の中で何度も語られますが、こうした貴種信仰の強さは、アメリカに限らず、世界中どこにでもあるように感じます。騙された側は、自分の異文化に対する理解の浅薄さを悔やみ、また騙した人間に対する怒りを増大させたのでした。
エミリーの父は、結婚詐欺師から真実を打ち明けられた際、ゴルフクラブで殴るほどの暴行をおこなっています。ここには貴種信仰の強さと自身の無知をばかにされたことに対するエミリーの父の激しい怒りが表れていたのです。
真犯人はエミリーの父の顧問弁護士の男でした。彼は長年エミリーに対する思いを募らせてきたため、エミリーが騙されたことに我慢がならなかったのです。
不老不死を隠し通そうとするモーガンの葛藤
他方でモーガンは、自身の不老不死が周囲にばれそうになると、引っ越しをすることにより、不老不死が知られることを避けてきました。かつて、ニューヨークに住んでいた際、第2次大戦時の戦友にばったり出くわし、年をとっていないことを見破られたときの行動がこれにあたります。
そこには秘密を絶対に明かさない異常なまでの用心深さが感じられるのです。秘密を打ち明けた結婚詐欺師の対応と比べると全く対照的な反応になります。秘密の質が結婚詐欺師のそれと比べものにならないくらい突拍子もなく、理解した難いものであることを考えると当然なのかもしれません。
しかし、これに加えて、モーガンの警戒心の強さも見過ごすことはできません。常日頃から他者と深い交流をせずに極力孤独でいようとする点にも、このことは表れているのです。
秘密が露見した時の衝撃や影響の深刻さを常に意識しているという点で、結婚詐欺師以上に現実的であることがわかります。また、この秘密を明かさない、自身の内面を他者にさらさない生き方は、他者に理解してもらいたいという意識をねじ伏せて成立するものです。
そのため、モーガンは常に秘密を誰かに打ち明けるべきか否かの葛藤に苦しみます。そして、この葛藤にモーガンはどのように向き合っていくのかが今後、様々な場面で登場してくるように感じました。
気になる次回は
⇒ ドクターモーガンのNY事件簿の第11話【もう1人の不死の男】
主な登場人物に関する情報は、こちらにまとめてあります。
⇒ ドクターモーガンのNY事件簿のキャストまとめ
まとめ
ヨアン・グリフィズ主演海外ドラマ『フォーエバー ドクターモーガンのNY事件簿』第10話【英国貴族の男】のあらすじネタバレと感想をまとめました。
ひきつづき、第11話【もう1人の不死の男】以降も情報アップしていくので、楽しみにしていてくださいね。