海外ドラマ『LUCIFER/ルシファー』第13話(最終回)【地獄の扉】(原題:Take Me Back to Hell)のあらすじネタバレと感想がまとめてあります。
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⇒ ルシファー第12話【仕組まれた罠】
ルシファー第13話(最終回)のあらすじネタバレと感想【海外ドラマ】
第13話(最終回)【地獄の扉】
第1シーズン最終回です。悪魔であるルシファー(トム・エリス)と彼の従者メイズ(レスリー・アン・ブラント)、そして、天使アメナディエル(D・B・ウッドサイド)がどんどん人間らしくなっていく一方で、悪徳刑事マルコム(ケヴィン・ランキン)は本来、彼が持つ悪を一層加速させていくことが際立つ回になりました。
悪魔であっても天使であっても、超人間的存在は、価値観にブレがなく迷わないことを期待しがちです。実際、シリーズ冒頭では、ルシファーは堕落や快楽の追究など人間界では悪として敬遠されがちなことであっても躊躇なく称賛します。
だから、そこにブレは存在せず、我々がイメージする通りの悪魔像がありました。しかし、シリーズの進展に伴い、こうしたイメージは大きく変化してきます。
ルシファーはクロエ(ローレン・ジャーマン)との間で築き上げた信頼関係が揺らいだことに傷つき、アメナディエルはマルコムを植物状態から生還させたことを悔いる、さらに、メイズはアメナディエルの心を弄んだことを後悔しました。
いずれも激しい感情のアップダウンがあるという意味で、非常に人間臭い行為です。とりわけルシファーとアメナディエルがともに精神科医リンダ(レイチェル・ハリス)のもとへ赴き、治療を受けるシーンは彼らの人間界での変化を象徴しています。
超人間的存在であっても人間界に来て様々な人間と接すれば、これだけ振れ幅のある感情を持たざるを得ないことを示しているのかもしれません。
逆に天界や地獄は、苦悩や葛藤といった泥臭い感情が必要ない世界です。そこの番人である天使や悪魔は人間を超越した存在ではあるけれども、感情という部分では人間ほど成熟はしていないことが示されているのかもしれません。
ルシファーらと比較して悪徳刑事マルコムの悪は一貫しています。ルシファーが悪魔とは呼べないほどに人間的な存在に変化していくのに対して、性悪というマルコムの根の部分は不変だからです。
マルコムはアメナディエルとの取引によって植物状態から意識を回復しますが、それ以降、彼の性悪な部分が加速度的に肥大化していきます。今回もアメナディエルを刺殺しようとする、あるいは、クロエの娘トリクシー(スカーレット・エステベス)を誘拐するなどやりたい放題です。
シリーズ中盤以降、マルコムの存在感が急速に増していきますが、コミカルな空気が支配するドラマ『LUCIFER/ルシファー』において、ここまで悪に徹したキャラクターが存在することは、シリーズ全体に緊張感をもたせるのに大きく貢献しています。
マルコムは地獄に引き戻されてしまいますが、憎らしさしか感じさせない彼のようなキャラクターがいなくなってしまうのは少し残念な気もしました。
本シリーズの警察の捜査に悪魔が協力するという設定は、刑事ものの亜種という印象ではあったのですが、それがいつの間にか天界や地獄など、天使や悪魔、天界の掟といった、人間の死生観や倫理観を刺激するテーマにシリーズが展開していくあたりに非常に新鮮さを感じます。
シーズン2では、地獄から逃げたルシファーの母を彼が追いかけることがシリーズの大きな柱となるようです。もはや悪魔とは呼べないようなキャラクターとなったルシファーと、地獄の価値観をそのまま持って人間界に逃げ込んでくる彼の母との対決が具体的にどのようなものになるのかが楽しみなシリーズになりそうです。
まとめ
海外ドラマ『LUCIFER/ルシファー』第13話(最終回)【地獄の扉】のあらすじネタバレと感想をまとめました。
ひきつづき、シーズン2以降も情報アップしていくので、楽しみにしていてくださいね。