J・K・シモンズ主演海外ドラマ『カウンターパート 暗躍する分身』シーズン2第10話(最終回)【内なる善】(原題:Better Angels)のネタバレ感想と評価がまとめてあります。
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⇒ カウンターパート2第9話【分身との対峙】
カウンターパート2第10話(最終回)のネタバレ感想と評価【海外ドラマ】
シーズン2第10話(最終回)【内なる善】
2つの世界で違う人生を歩む2人の自分。交わるはずのない世界が交わり、出会うはずのない2人が出会ってしまったら・・・。こんな始まり方をした『カウンターパート』も、今回が最終回になります。
まずは、このドラマの悪い部分から先に済ませましょう。それは、あれこれやり過ぎてしまったことです。分身が珍しいうちは面白かったのですが、誰もかれもが2人出てくると、さすがに飽きてしまいます。
潜伏スパイのシャドウも良い設定ですけど、ハワード(J・K・シモンズ)やエミリー(オリヴィア・ウィリアムズ)が入れ替わっているのを見る限り、人生まで乗っ取る必要があったのかは疑問ですよね。
入れ替わりが当たり前になってしまったので、”実は向こう側の人間でした”とか明かされても驚きがありません。
もっと色々、盛り込んで面白くしようという努力が、途中から空回りになってしまったのです。執行部なんて、扱いに困ったあげく、あっさり皆殺しですし。何でもかんでも複雑にすれば面白いわけじゃないという、悪い見本になってしまいました。
当然、良かった点もいくつかあります。
陳腐になりがちなパラレルワールド物に新しい流れを作ろうとしたことは、高く評価するべきでしょう。
交差点という名称そのものが一種の引っ掛けになっており、実は交差ではなく分岐点だったというのは、素直に感心しました。元々、まったく同じ人間だからこそ大きくなっていく猜疑心も、着眼点としては良かったと思います。
世界同士の接点を1か所に集約して、そこを管理する組織を作ったのも良いですね。あの密航者の数から考えると、管理が上手くできていたとは言えませんけれど。
アルファとプライムの演じ分けに関しても、素晴らしかったと思います。
特に主役のJ・K・シモンズの演技は圧巻です。口調や表情だけにとどまらず、立ち姿や歩き方、ちょっとした動作のスピード感。すべてにおいて見事という他ありません。衣装や小道具も、結構、細かいところまで気を使っていました。
以上を踏まえつつ最終回を見てみると、意外なほどに良くできています。
打ち切られたせいで色々カタを付けざるを得ず、それが逆に物語の展開を面白くしていました。それぞれがいるべきところに戻り、するべきことをする登場人物たち。
爆発の特殊効果や裏ハワードのアクションもビシッと決まっていますし、ラストシーンは”これぞSFサスペンス”といった感じの暗い余韻を残してくれます。
打ち切りは残念なことです。
しかし、このままシーズンが更新されたら、複雑化に歯止めがかからず収拾がつかなくなっていたことでしょう。そう考えると、このドラマは打ち切りに救われたと言えるかもしれません。
まとめ
海外ドラマ『カウンターパート 暗躍する分身』シーズン2第10話(最終回)【内なる善】のネタバレ感想と評価をまとめました。
シーズン2で打ち切りが決まったので、今回がファイナルシーズンです。